星野杜氏によるシン・ツチダ ハッピーヒルの解説動画です。
田んぼではなく、畑で育てたお米で造る日本酒なんて聞いたことがありますか?
お米は田んぼで作るもの。
誰しもがそう思っているだろうし、私ももちろん、水田ではなく畑でお米を作るなんて考えてもいませんでした。
今回ご案内致しますのは「シン・ツチダ ハッピーヒル」という商品です。
畑で作ったお米「ハッピーヒル」でシン・ツチダを造りました。
『ハッピーヒル』はお米の名前です。
ハッピーヒルというのは俗称で、正式な品種名は福岡2号です。
自然農法の創始者である福岡正信氏がはじめて育成し品種登録した品種で、
福=ハッピー 岡=ヒル ということらしいです。
今回のお酒に使用した原料米は、そのハッピーヒル(福岡2号)を、
畑で作ったお米なのです。
日本では滅多にきくことがない陸稲ですが、世界的に見れば陸稲で稲作をしている地域が意外と多くあるようです。日本でも、歴史的には水稲より古く、現在では栃木県や茨城県でおもにモチ米の栽培が陸稲で行われているそうです。
なぜ、今回このようなお酒を造ることになったのか?
当蔵の代表である土田が、このハッピーヒルが出来たときの想いを込めていた文章がありましたので、記載させて頂きます。
原料米への考え方がかわる酒
ハッピーヒルのこの酒を味わうと、
日本酒造りにつかう米への考え方が変わるかもしれません。
シン・ツチダの米違いシリーズとしてインディカ米に由来する中長粒米のプリンセスサリーでの酒造りも経験しました。
そして今回の陸稲ハッピーヒル。
土田酒造の酒造りにおいては、全く問題なく旨い酒が造れることができたのです。
土田酒造だから、シン・ツチダだからできたと言っても良いかもしれません。
そのポイントは大きく2つあります。
①低精米だから割れない
②強い麹で溶かす
ひとつひとつ簡単にお話しします。
①低精米だから割れない
シン・ツチダならびに土田のほとんどの酒は、精米をほとんどしない米で酒造りをおこなっています。
精米歩合でいうと90%です。食べるお米とほとんど同じ精米です。
ほとんど精米に掛けないため、長粒米のように細長かったり、水分がすくなかったりと割れやすい条件の米でも割れずに済むのです。
米が割れてしまうと麹造りの工程で影響が出てしまうため、米は割れないほうが良いのです。
②強い麹で溶かす
シン・ツチダの製麹には、非常にちからの強い麹菌を使用しています。
焼酎用黄麹という種麹で、現在では日本酒醸造用に使われることが少ないものです。
この焼酎用黄麹を規定量から倍以上使用し、総ハゼ麹にすることで
硬いと言われる陸稲、食用米、低精白米でもガンガン溶かすことができるのです。
ハッピーヒルでのお酒造りを通して、
日本酒の原料米はどんなお米でも良いという考え方が深まりました。
食用米、中長粒米、陸稲・・・。
多様な米を日本酒にすることで、日本酒の味わいも多様化しますし、
地域性や蔵の個性も高く表現できるのではないかと思っています。
飲んだらハッピー♪ うまくてハッピー♫
陸稲の米で造った酒。どんな味なのでしょうか?
旨い!
しっかり旨味のあるしっかりしたお酒です。
しっかり旨いのですが、後味は思いのほか軽く飲みやすくも感じます。
まだまだ推測の領域ですが、自然栽培米で造った酒は分析数値よりも軽い味わいに感じる気がしています。
常温〜お燗でぜひ味わってみてください。
肉料理とぜひどうぞ!
ハッピーヒルは今回だけの限定醸造
そもそも陸稲って作るのがとても大変らしいです。
そのうえ今回のお米は、無肥料無農薬の自然栽培。
農家さんも今後の約束はできないとのことで、
シン・ツチダ ハッピーヒルの発売は今回限りとなります。
本数もとても少ないため、ぜひお早めにお求めくださいませ。
・原料米 :群馬県産 ハッピーヒル(福岡2号)
・精米歩合:90%
・仕込み水:武尊連峰伏流水(関東名水百選)
・麹歩合 :35.1%
・種麹 :焼酎用黄麹
・酒母製法:生酛
・酵母 :酵母無添加
・アルコール度数:16%(原酒)
・グルコース:2.7
・日本酒度 :-7.5
・酸度 :2.7
・アミノ酸 :2.8
・火入れ :1回(瓶詰め時)
・保管方法 :常温可
※記載されている原材料のみ使用。
ラベル表示義務がない添加物も不使用です