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幕開:はじめましてのご挨拶

1回目とは、何においても、1回しかない(当たり前ですが)記念すべき時です。
その1回目に何をお話ししようかなと思ったのですが、なんでこの『土田酒造の溢れ湧き出るこぼれ話』を立ち上げたか、その趣旨をお伝えするのが1回目には相応しいのではないかと思いました。

改めまして、こんにちは。
土田酒造の6代目代表の土田祐士と申します。

1976年4月7日生まれのB型。
B型っぽいとよく言われますが、自分自身の道を進みたいタイプです。
自分の道を進むため、土田酒造は変わっているというか、もはや偏屈とも見られているかもしれません。

自分が蔵を率いるようになり、どんな酒造りがしたいかをみんなで本気で考え、話をし、それまでの速醸から今現在の“全量生酛仕込み”という方針に舵を切りました。
私たちがおこなう生酛仕込みは、自然の菌の力で発酵させていきます。
さらに、うちとしては添加物で調整するのではなく 温度管理や麹の造り方、作業のタイミングなどを細かく調整してうまい酒に仕上げていく造り方なので、現在の日本酒造りの主流からは逸れています。
そうなると、例えば、酒造りの教科書とは違うことをおこなったり、教科書に載っている内容に関しても「本当にそうなのか?」と疑ってみたりします。
ここは様々な考え方があるところですが、教科書どおり/決まったことどおりにやると同じものができてしまい、私は「つまらない」と思ってしまうタチです。
教科書には書いてないことに仮説をたて、検証を始め、気付きを得たり発見することが楽しいのです。
また、自分たちの造り方では、全く同じものを造ることは限りなく不可能に近い。
全くおなじ条件も材料もありませんから。

疑うのは教科書だけではありません。
自分たちでも「うまくいった」と思ったことも疑います。
昨年と同じように繰り返し造る、ということをほとんどしません。

同じ味を求めていらっしゃる方には、大変申し訳ありません。
しかし、日本酒の醸造技術は奥深く、むしろまだまだ実験的な醸造含めて研究の時間が足りない状態です。
そのため、時間を守ることに使うよりも、新しいことに使っていくことを多くしたいのです。

そのような状況ですので、様々なことを思いついたり、想っていたことが変わるということがよくあります。自分たちでも、行き先のわからないジェットコースターに乗っている気分です。

前置きが長くなりました。この場所は、そういった日々変わっていく土田酒造の内部や私自身の考えていること、思っていること、気になっていることを、ざっくばらんにお伝えできればと思っております。
「こんな事がおきてるの?こんな風に考えるの?」と、皆様もご一緒に、日本酒の醸造技術の奥深さに浸って、行き先のわからないジェットコースターに乗っている気分を味わって頂ければと思っています。

不定期にはなりますが、どうぞよろしくお願い致します。

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